第5回 日本Cordovaユーザ会レポート

日本Cordovaユーザ会はHTML5ハイブリッドアプリ全般の技術を扱い、活動しています。さらにHTML5ハイブリッドアプリとりわけCordovaの普及に向けて、実際にアプリ開発を実践されている方々が積極的に情報共有をしていくことを目的としています。

 

今回で5回目となったCordova勉強会のレポートをお届けします。

 

第5回Apache Cordova勉強会 – 日本Cordovaユーザー会 | Doorkeeper

 

ネイティブアプリ開発者目線でのMonacaアプリ開発

 


ネイティブアプリ開発者目線でのMonacaアプリ開発

 

最初はヘッドウォータースの竹上さんから ネイティブアプリ開発者目線でのMonacaアプリ開発 という発表です。

 

これまでに作ったハイブリッドアプリとして、Monacaで作ったみんなでRunRingやスマホからPepperに喋らせられるアプリも作っている。

 

特別なことがなければネイティブ系言語を使っている。理由としては

    • 高パフォーマンス

 

    • HTML5の学習コスト

 

    • デバッグしやすい

 

    • Cocos2d-x/Unityなどの優秀なフレームワークがある

といった理由。HTML5/JavaScriptのフレームワークは選択肢が多く、トレンドが変化しすぎる印象がある。

 

例えば最初はiOS向けに開発したとしても、その後Androidで確認するとレイアウトが崩れている。そして直すとiOSで崩れると言ったことが何度も繰り返されたりする。また、最初はリッチじゃなくても良いと言いつつ、欲が出てリッチにしたいと思うと途端に敷居が高くなる。結局、HTML5でもしっかりしたレイアウト、操作を実現しようと思うと高度な知識が必要と言った印象。

 

でも今回はPepperアプリということもあってMonacaを使ってみた。

 

Pepperアプリを作る際の手順として大事なのは振る舞いになる。Pepperの振る舞いとは

    • しゃべらせる言葉

 

    • 動き

 

    • 頭のスクリプト

 

    • 胸のアプリ

の4つがある。喋らせる場合、30個程度の文言でも5日くらいかかってしまう。ただ文字を与えただけではちゃんと読めず、棒読み。特殊な記号を使ってナチュラルに喋らせることができるが、トライ&エラーしかない。しかもアプリを毎回インストールしなければならない。ちゃんとした日本語を知っていないといけないのでオフショアも難しい。

 

Pepperの胸にはディスプレイ(タブレット)を装着する。頭はLinux + naoqi。胸はAndroidタブレットでWebView。Pepperの中にnginxのWebサーバを使ってクライアントと通信。Androidアプリとして公開する仕組みがないのでWebアプリケーションを使うのが基本になる。

 

毎回インストールしなおすと時間がかかるので、デスクトップ版ChromeからPepperとWebSocketで喋らせるWebアプリケーションを自作。さらにAndroidタブレットでも実現。そしてそれをMonacaでアプリ化。

 

今回Monaca(HTML5ハイブリッドアプリ)を選択した理由としては、

    • HTML5でアプリ化できるソースがあった

 

    • Objective-CからPepperを操作するための術がない

 

    • Monacaを使ったらすぐにできた

という点が挙げられる。結局のところ、学習コスト + 実装コストの比較になるのではないかと思われる。ネイティブが向いている時、ハイブリッドアプリが向いている時それぞれがあるのではないだろうか。

 

IBM MobileFirst Platformの話

 

日本アイ・ビー・エム佐々木 志門さんによるBluemixとIBM MobileFirst Platformの紹介。

 

IBMのモバイルの取り組みについて。PaaSとしてBluemixを提供開始。

 

IBM MobileFirst Platform。1,300社くらい(グローバル)。社内アプリでiPhone/iPadで提供中。

 

ソフトウェアモジュール(AWSとかでオンプレミス)とクラウドサービス(IBM Bluemix)。BluemixではクレジットカードだけでWatsonなども使うことができる。

 

ネイティブSDK + CLI。MobileFirst Studio Test Workbench。

 

developerWorks MobileFirst Platformでアプリ開発を動画で紹介している。mfp.HELP。自習できるサイト。

 

Bluemixはネイティブ、HTML5/ハイブリッド、Xamarin、Ionicをサポート。セキュリティを担保している。ダッシュボードでユーザの利用状況を見たりできる。コードの脆弱性をチェック、CouchDBを提供。Ionicの画面をD&Dで作れる機能を追加。去年話題になったCordovaのセキュリティホールはIBMの開発チームが発見した。

 

BluemixのMobile Quarity Assualiece。モバイルアプリをどんどん品質アップしていくための仕組み。バグレポート、クラッシュレポートが提供されている。

 

DevOps。Gitリポジトリ+プロジェクト管理。クオリティ管理と連携している。

 

API管理のツールがある。作ったAPIを公開できる。

 

MQTTブローカーをデザインするツールも提供している。

 


 

今回は事前に懇親会の時間があったので押してしまい、3つ目のセッションAngularJS入門は行われませんでした。当日の動画はこちらです。

次回は既に日程が決まっていて、6月19日(金)に行われるとのことです。ハイブリッドアプリ開発、HTML5、PhoneGap/Cordovaなどに興味がある方は参加してみると良さそうです。

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