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Web2.0 EXPO @San Francisco

こんにちは。小林です。
今回は、Web2.0 EXPO について簡単に報告させていただきたいと思います。

4月15日~18日で開催されたカンファレンスでは、企画・立案を始め、デザインやプログラミングなどの開発、運用環境、マーケティングなど実にさまざまな視点からWeb2.0についてのworkshop & session が行われました。

その中でも、私の印象に残ったセッションを一つご紹介したいと思います。

From Pages to People: Behavioral Targeting with Basem Nayfeh
=行動ターゲティング=

☆ セッションの説明に入る前に。。。

「行動ターゲティング」という言葉をご存じでしょうか?
行動ターゲティングは、@IT情報マネジメント用語事典では、以下のように説明されています。

——
Webサイトなどのユーザー(閲覧者)をその行動(ページ閲覧や検索、商品購買など)に基づいてセグメント化し、それぞれのし好やマインドに合った広告/メッセージを表示すること、またはその仕組み。
——

1999年~2000年には既にこの考え方を実現しようと試みが行われ、一度はプライバシーなどの問題から衰退したものの、一昨年ぐらいから再び熱くなってきたキーワードです。一番の有名どころは米RevenueScience社ですが、最近、日本でも、今月5日に「BIGLOBEと博報堂が大規模な行動ターゲティング広告配信実験を実施」などのプレスリリースが発表され、熱くなってきた感じです。

インターネットを使用している1ユーザーとして、自分の入力した検索キーワード、ネットダイビングしていて何気なく見ているサイトやページなどが記録されるというのもどうかと思います。。。が、行動ターゲティングを利用することでCTRが高くなるということが広く認識されていること、最近の業界の動向を見ていると、自分が好む好まないに関わらず、当然のことのように、これらの情報がデータとして収集される時代が訪れるでしょう。

☆ セッションの内容

○ Golden Age

一昔前までは、広告は非常に単純なものだった。テレビや新聞、雑誌に数本の広告を掲載すれば、その広告を見せたいほぼ全ての対象者に対して広告できた。しかし、現在では、それではうまくいかない。消費者はテレビを見るよりも、Facebook(米で人気のSNS)を使い、オンラインビデオを見るようになった。

→ 古き良きアメリカがどのようなものであるか分かりませんが、確かに自分もテレビは週末に見ればいい方。新聞も読んではいますが、広告はほとんど読んでいません。欲しい情報は、オンライン上にあることが多いですし。。。

○ Where are people?

驚くことに、検索はオンライン行動の5%を占めるに過ぎない。一方、E-mailやIM(Instant Messenger)が大きな割合を占めている。広告主にとっては、これは大問題である。多数の人間によって生成されたコンテンツやコンテキストを見つけ、それぞれに広告を掲載するのは非常に困難である。オンライン広告は検索の分野でのみ成長している。

→ 以前読んだC|netの記事では、広告業界で順調に成長しているのは、オンライン広告のみと読んだ記憶があります。「今までTVや雑誌に投資されていたものが振り返られた」と考えれば当然の結果だと思います。
また、効果的な広告表示という視点では、検索は有効な手段です。ただ、検索に連動させて広告を表示する場合、その広告が本当に効果的な場合と効果的でない場合があります。簡単に言うと、「買おう」と思って検索された場合と、そうでない場合のことです。

○ Current Situation

オンラインメディア、Podcast、オンラインビデオなどには、今後大きく成長する可能性がある。
広告は消費者の注意をひくために存在し、現代では、その役目を担う媒体が、テレビからインターネットにシフトしつつある。
検索広告は単純で利用しやすいが、対象者がインターネットを利用するのに、必ず最初に検索させるようにすることはできない。
では、どうすればいいのか?

→ 以前、会社の人間とも話していたのですが、この感覚は日本とアメリカでは若干異なると思います。
URLはアルファベットで記述されており、アメリカ人の感覚からすれば、単語そのものであることが多いので記述しやすいはずです。よって、わざわざ検索する必要もなく、知っているサイトであればURLを直接入力することも多いでしょう。しかし、日本人の場合はそうはいきません。「www.アシアル.jp」なんてドメインは存在しないのです。
よって、アメリカ人よりも日本人の方が、検索してサイトを訪れる人が多いと思います。

○ Behavioral targeting!
ページのコンテキストではなく、個人のコンテキストに注目しよう。彼らが何を読み、何をして、何を望んでいるかを考えてみよう。
購入意志が大きく現れる時、そのタイミングを掴めれば、彼らの意志決定に大きな影響を与えることができる。
Behavioral Targetingの定義:
“Segmenting and qualifying people based on their actions.”
「その行動に基づいて人々をセグメンテーションに分け、商品を買ってくれそうな顧客だけにターゲットを絞ること。」

→ 効果的な広告順位。
1. 個人の趣向に合わせた広告を掲載する
2. サイト/ページの内容に合わせて広告を掲載する
3. 何も考えずに広告を掲載

○ This can include:
Searches (検索)
What you read (読んだページ)
Where you live (住んでいる場所)
How you navigate (ナビゲート仕方)
…More!

上記の情報を利用して顧客をセグメントに分類する。更に、セグメント毎に適した広告を表示する。
つまり、ユーザーがサイトを訪れると、リアルタイムでセグメントに分類される。次回訪問時にはセグメントIDが付与され、そのセグメントに基づいた広告が表示されることになる。

→ このような分析は、それぞれのサイトについて行われるものなのでしょうか?
技術的に可能であれば、その人のすべての履歴をとり、その内容を解析した方が、もっと良い結果が得られるでしょう。

○ initial stage of their decision-making

広告を見ただけでは、最初は、ノーブランドの単なる「車」として認識されるが、これが動機付けの最初の段階となる。
動機付けができたら、広告主は一貫性のある、混乱しないようなメッセ
ージを提供し続けるべきだ。それにより、ユーザーはブランドを意識する。

○ Some Stats

マーケティング担当者の74%は、behavioral targeting を既に使っているか、これから使おうとしている。
代理店の64%は、、behavioral targeting を既に使っているか、これから使おうとしている。
2007年では、マーケティング担当者は、behavioral targetingに$1.5 bullion を費やそうとしている
・・・

○ conclusion
Let’s do the Behavioral targeting!

→ 個人に合わせたサービスを提供しようという傾向は、広告業界に限ったものではなく、ITや医療、さまざまな分野で見受けられます。大量に同じものを提供するよりも、個人に合うものをカスタマイズして提供することの方が良いのは、どの分野にも通じることだと思います。提供される側として、自分の趣向・特徴に合ったサービスの提案を受けることは幸せなはずです。
ただし、情報を収集されることに対しては、疑問が残るところですが。。。

# それにしても、セッションのタイトルを見ていると、「Media 2.0」、「Vulnerabilities 2.0」、「Venture Capital 2.0」などなど。
現在、なんでも「2.0」になったみたいです。

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asial

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