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自社ブログをメディア化し、やっと15万PVになって分かった成功と課題のまとめ。

先日LIGさんのブログに公開された岩上さんの「自社サイトをメディア化し、1年で100万PVにして分かった失敗と成功のまとめ。」という記事が大変参考になったので、これを機会にアシアルブログやその他の関連サイトがどんな状況なのかを、あらためて振り返ってみたいと思います。

構成下記のような感じで、岩上さんの記事に近い構成で行きたいと思います。

 

アシアルブログの規模と現状

まず、アシアルブログの規模感に関してご紹介します。

LIGさんのブログの140万PV/月には及ばないものの、現在アシアルブログはコンスタントに12万~15万PV/月程度という一企業のブログとしてはそれなりの規模になっています。UU数についていうと7万〜8万UU/月程度。エンジニアにターゲットを絞ったコンテンツで毎月数万人が訪れてくれるというのは、それなりの規模だと思います。

アシアルでは、ブログ以外にもPHPプロ!PhoneGap Fanといった、エンジニア向けの自社サイト運営を行なっており、こちらを合わせると毎月40万PV、15万UU程度のエンジニアの方々が我々のサイトにアクセスをしてくれていることになります。

アシアルブログは2006年から継続した更新を行なっておりまして、総記事数は1000件強となっています。アクセス数の7割以上は検索エンジンからの流入でアクセスの多くが過去記事に支えられていると言えます。

アシアルブログを運営する狙い

アシアルの事業コンセプトは「エンジニアリングでインターネットの成長を牽引する」というもので、とにかく自分たちの知識や経験をアウトプットし世の中に良い影響を与えることを重視しています。そして、このコンセプトに賛同してアシアルに参画しているメンバーはみな根っからの技術好きで感度の高いエンジニアです。アシアルブログはそんな彼らの琴線に触れた技術について出し惜しみせず発表してもらう場として設定されています。

このため、開設当初はPHPネタが中心だったアシアルブログも、メンバーの興味やアシアルの事業内容の変化にともない、最近ではHTML5やJavaScript、UI/UEXといったネタの比率が高くなってきています。

もう一つの狙いとしては、アシアルという会社ではなく、より個人を表に出して行きたいという考えからブログを運営しています。「アシアルの◯◯さん」ではなく、「◯◯さんがいる会社」「△△さんがいる会社」の総計としてアシアルという会社を捉えて欲しいと考えているからです。

公式サイトでも、社員紹介というコンテンツを設けていますが、ブログはよりそのメンバーの技術的関心や人柄などが伝わると考えてまして、紹介ページからもブログの記事が参照できるようになっています。

アシアルブログや自社メディアを運営しているメリット

岩上さんの記事ではLIGさんが自社サイトをメディア化したメリットや強みとして、

  • ・認知度の向上
  • ・仕事の依頼の増加
  • ・採用の増加
  • ・自社サイトでの広告収益

があげられていました。

アシアルでも、かなり近い効果が出ているとおもいます。

・認知度の向上

私は業務上、いろいろな企業、イベントや開発者コミュニティなどに足を運び、外部の方とお話をする機会が多くあるのですが、相当な確率でブログやPHPproを通じて既にアシアルのことを知ってくれている方に出会います。

先日も某高校でMonacaの勉強会を行ったのですが、そこの生徒さんに「どこかで聞いたことのある会社だとおもったら、あのブログの会社ですね」といううれしい言葉をいただきました。なかなか、高校生にまで認知をされているソフトウェア開発会社ってないですよね。

これは本当に大きな強みだと思います。

・仕事の依頼への効果

システム構築案件にしてもスクール案件にしても、基本的にWebサイトから問い合わせをいただくところから始まります。完全にプル状態で、現在はテレアポなどは行なっていません。また、単にお問合せをいただくだけでなく、お客様のご担当者の方から「今回のプロジェクトはアシアルさんとやりたい」という希望をいただき、ほぼコンペなしで仕事をいただくこともよくあります。

システム構築やコンサルティングといった仕事のご依頼の他にも、セミナーや勉強会の講演依頼だとか、記事や書籍の執筆依頼もよくいただきます。広報専任の担当者がいない、我々のような会社にとっては、この様な機会をきっかけに、より多くの皆さんにアシアルの存在を知っていただけるというのは非常にありがたいことです。

・採用活動への効果

採用に関しては、LIGさんのように毎日多くの方が応募してくるという状況ではないですが、募集広告を出した際には非常に多くの方に応募をいただけます。また、ブログなどを通じて、アシアルの社内の雰囲気を理解した上で「アシアルで働きたい!」と思って応募してもらっているようで、アシアルを第1志望として応募してくれる方が多いのもありがたいです。

・自社サイトでの広告収入

アシアルが保有するサイトカラも。微々たるものですが広告から直接的な収益があげられるようにはなって来ました。自社サイトの広告から上がってきた収益を、さらに別のマーケティング費用に再投資できるのもメリットの一つです。

運用コストについて

メリットの一方でコストも当然かかっているわけです。コストといっても、サーバー費やブログの構築費用というのは大した話ではなく、アシアルの社内メンバーが記事を書く時間を確保するのが一番のコストです。

アシアルでもLIGさんと同様に当番制になっており、2ヶ月に1回程度ブログ記事の当番が回ってきます。しかし、ただでさえ多くの業務を抱えている中、ブログの記事を書く時間を確保するのはなかなか大変な話です。技術ブログの場合は、単に文章を書くだけではなく、実際にコードを書いたり、サービスを利用してみるなど、直接的に記事を書く時間以外にも、諸々の準備が必要になります。

ただし、ここで手間をかけて書いた記事はストックされていきます。つまり、将来の利益資産になるわけです。これは一般的な広告宣伝費用とは大きく異る特性です。

この長期的な投資に対してみんなのタスクの中で優先度をあげてもらうということが重要だと思っています。

費用対効果に関して

費用対効果に関しても、岩上さんの意見とほぼ一致していると思います。

ブログやその他の自社メディア運営に関して厳密な費用対効果を図るということは行なっていません。しかし、前述の通り我々のシステム構築・コンサルティングビジネスやスクールビジネスの案件はほぼ100%自社サイトからのお問い合わせかご紹介をきっかけに発生しています。

広告宣伝費をほぼ使っていないことを考えると、ブログ運営は非常に費用対効果の高い施策だと断言できます。

また、この効果が将来的にも続くことを考慮するとなおさら高い費用対効果があるといえると思います。

採用面に関しても、求人広告は出しているものの、そこで応募数が同業種の別の企業よりも多かったり、第一志望比率が高かったりするのは、ブログの影響によるものが大きいと分析しています。具体的な金額の公表は差し控えさせて頂きますが、一般的な一人あたりのエンジニア採用費用と比較すると、かなり低く抑えられていると思います。

最近、インバウンド・マーケティングという言葉が流行っているようですが、商談獲得にしても採用にしてもブログを使った自社サイトのメディア化という施策は費用対効果の高い施策だと言えると思います。

運営上の課題

社内で当番制にして業務の一環と位置づけているものの、技術ブログの記事を書くということはそれなりに時間と労力のかかることです。日常の業務が忙しくなってくると、ブログの記事を書くどころか新しい技術に触れる時間を作ること自体が難しくなってくることもあります。

アシアルブログを良く読んでいただいている方は、気がついていると思いますが3月は3件しか記事がアップされていません。期末でかなり通常業務が忙しかったことが起因していますが、メディア運営として考えると、読者の期待を裏切っているわけで、大きな問題だと考えています。

岩上さんも記事の中で書かれていましたが、私もマーケティング担当の責任者として、ブログの記事を書くことの重要性やそれがもたらすメリットなどをしっかりと社内に啓蒙できていないと反省をしているところです。

ただ、「記事を書いてください」「当番を守ってください」と言われたって、なかなかモチベーションはわかないですよね。

もっとみんなに気持ちよくブログ記事を書いてもらえるように社内啓蒙をして行きたいと思います。

今後の展開について

今後アシアルはMonacaというサービスを通じて、本格的に海外マーケットへの展開を狙っています。これを推進するためには、当然ながら英語での情報発信もしていかなくてはならないわけです。数少ないネイティブ、バイリンガルのスタッフでどうやってコンテンツを増やしていくか?もしくは翻訳を行うのか?こちらも悩ましい課題ですが、一歩ずつ前に進めて行きたいと思います。

海外展開についても、時期が来たらこの場で振り返りを発表したいと思います。

長々と書きましたが、引き続きアシアルブログ及びアシアルの活動にご注目ください。
よろしくお願いします。

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