温泉マーク問題

この記事はOnsen UI Advent Calendar 2016向けの記事として書きました。

アシアルのマーケティング担当の塚田です。

先日報道されたOnsen UIのマーケティング上、非常に重要なニュースについて書きたいと思います。

2013年9月にプレビュー版リリースをしたOnsen UIは、現在ではCordovaプロジェクトの公式サイトに掲載されたり、GitHubスターも4000弱つくなど、国内外の多くのエンジニアのみなさんに使っていただけるUIフレームワークとして成長してきました。

イタリアでは人気の自転車レースGiro d'Italiaの公式アプリに採用されたり、日本では金融機関やテレビ局のアプリなどにも多数採用されています。

認知度もあがり、素晴らしいアプリも多数生まれ、我々の努力も少しは報われてきたかと思っていた最中、2016年7月にとんでもないニュースが飛び込んできました。

温泉マークが変更になる???

リオオリンピックが始まる直前の2016年7月7日、経済産業省が2020年の東京オリンピックに向けて、公共施設などで使われる案内用のピクトグラムを外国人でもわかりやすくするため変更を検討しているという発表がされました。

その変更の対象として取り上げられた一つが「温泉マーク」です。従来の温泉マークは外国人には「温かい料理」に見えるとのこと。

ニュースの映像では、温泉マークを見た外国人観光客が「コーヒー」だと答えていました。

新たなマークの候補として発表されたのがこちら。

はい、、、

湯船に人が入っています。

みなさんご存知の通り、我々のOnsen UIのロゴマークも温泉マークをオマージュして作ったもので湯気の部分が「UI」となっています。

もし、温泉マークが変更になってしまったら、Onsen UIのロゴマークにも湯船に人を入れるように経済産業省から指導が入るかもしれません。

そうなると、Webサイトも作り直し、たくさんつくったTシャツなどのノベルティなども全て無駄に、、、

そもそも温泉マークが「コーヒー」に見えていたとすると、CoffeeScript開発チームのみなさんは苦々しく思っていたのではないか、、、

これまで海外向けのプロモーションに費やしてきた努力がお湯の泡、いや水の泡になってしまいます。

マーケティング担当の私の責任問題になること必至、、、

これはまずい。

Onsen UIの名前には意味がある

皆さんにはご理解いただきたいのですが、Onsen UIという名前は適当につけた訳ではないのです。

Onsen UIはモバイル向けのシングルページアプリケーションを開発するためのUIフレームワークです。シングルページアプリケーションは通称「SPA」とも言われます。勘の良い方は、この時点でピンっと来たかもしれませんが、SPA→スパ→温泉→Onsenです。シングルアプリケーション向けのUIフレームワークなのでOnsen UIなのです。

そして、日本に来る外国人旅行者が楽しみにしていることの第5位がなんと温泉なのです。和食や買い物、景勝地の観光と並んで多くの外国人が温泉を求めて日本に来るのです。日本発のオープンソースプロジェクトを世界に広めるのにこれ以上の名前があったでしょうか。

そしてロゴも温泉マークをオマージュしたしたロゴを作成したのですが、この時にはこのロゴが変更に追い込まれるかもしれないことになると思いもよりませんでした。

温泉地が立ち上がった

経済産業省に意義を申し立てようにも、温泉とは直接関係のないOnsen UIの意見を聞いてくれる余地は無さそう、、、

新温泉マークは不評ではあるものの、変更することを規定路線にただただ時間だけが過ぎて行きました。

ここで別府温泉で有名な大分県別府市が立ち上がりました。別府市が温泉がある全国の自治体に調査を実施し、調査協力をした57自治体のうち過半数を軽く超える36自治体が現温泉マークを支持する(新マークは16自治体)と発表しました。

そして2016年12月6日に開かれた経済産業省が主催する有識者会議では、湯布院観光協会や磯部観光温泉旅館協同組合の代表などが出席し、温泉マーク変更案の撤回を強く求めました。これまで約50件の反対意見が寄せられていることもあり、経済産業省の担当者も「慎重に検討して決めたい」と話し、風向きが変わってきました。

日本の温泉マークを世界に広めよう

先日の有識者会議で、出席委員の一人が「変えずに日本の温泉マークを世界に広めてはどうか」との意見がでたようですが、私もこの意見に大賛成です。前述の通り外国人の多くの方は日本に温泉を求めてやってきます。そこで温泉マーク自体を日本の観光PRなどに積極的に使うことで、誰もが認識できるものとして広げていくべきではないでしょうか。

ついでの温泉マークがスパ(SPA)だということが認知されれば、Onsen UIがSPA用のフレームワークだということが嬉しいですね。

とりあえずOnsen UIのロゴが変更に追い込まれることがなくなりそうなので、2017年はOnsen UIをもっと世界の開発者に知ってもらえるように頑張りたいと思います。

皆さんもOnsen UIの応援をよろしくお願いします。
製品へのフィードバックとか、GitHubスターとかをいただけるともっと頑張れますので、是非よろしくお願いします。

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