Vision Mobileによるモバイルアプリ開発者の調査レポート
ロンドンに本社を置くモバイル関連のリサーチファームであるVision Mobileが、毎年行なっている世界のアプリ開発者を対象としたアンケート調査のレポートが今年も発表されました。
世界95カ国から3,460人の開発者 がアンケートに参加し、加えてインタビュー調査まで行われており、かなりコストがかかっている調査だと思いますが、at&tやmozilla、NOKIAといったスポンサー企業のおかげで、こちらから無料でレポートを入手することが可能です。
今回は、レポートの第二部で"THE DEVELOPER TOOLS LANDSCAPE"と題して、開発者向けのサードパーティツールに関するレポートが大きなページを割いて展開されていました。この中でアシアルで展開するMonacaがカテゴライズされるCross platform toolsも登場しているので、このあたりを中心に紹介させてもらいます。
まずは、サードパーティツール全般の利用状況ですが、3460人のアンケート回答者の約90%がなんらかのサードパーティツールを利用しているとのこと。個別に見ていくと利用率のトップはAd services(34%)次いでUser analytics(28%)とCross platform tools(27%)が続きます。Cross platform toolsは略称CPTsと呼ぶらしいのですが、私の想定以上にCPTsの利用率が高いですね。一方で、最近よくを話題にBack end as a service(BaaS)は14%とまだまだこれからという感じです。
それでは我々が最も知りたいCPTsの概況に移りたいと思います。CPTsの中で最も使われているのはAdobeのPhoneGap、次いでAppcelerator、Adobe Airと続きます。ゲームに特化したUnityやCoronaも結構使われていますね。
どんな開発者が使っているかというと、HTML開発者が38%とトップ。正確にはクロス集計してみないとわかりませんが、Web技術者がPhoneGapを使ってアプリをつくるというのがCPTsの中心的なスタイルになりつつあるようです。
手前味噌ですが、Monacaが狙っているところがCPTのまさにド真ん中って事ですね。
(その分一番競争の激しいところかも知れません)
グラフには出ていませんが、CPTsを使う開発者は複数(平均1.91)の種類のCPTsを使い分けているとのこと。まだまだ発展途中ということもあり、開発者側も一つのサービスにどっぷりというよりは、色々と保険をかけながら進めている様子がうかがえます。
Monacaの隣接分野ということで、BaaSも見てみましょう。
こちらは、Parseのシェアが28%とダントツで高いようです。2番手に来ているのはIn-house。外部ツールを使わずに自前でBaaSっぽいものを使っているとうことですかね。sencha.ioとACS、それぞれSenchaとAppceleratorが展開するBaaSです。CPTs側がバックエンドまで囲い込んでいくという流れができつつあるのかも知れないですね。このへんの動向はMonacaの事業開発を担当しているものとしては見逃せない流れです。
早くも勝負がつきつつあると思われるカテゴリーがAdServiceとUser analytics。両方ともGoogleが非常に強いですね。User analyticsの分野はGoogleとFlurryの寡占状態になっているようです。Flurryの存在は今回はじめて知りましたが、Cross promotion networksでも上位に入っており、その他にもアプリ開 発環境も展開しているようです。
Monacaの事業開発担当者として、非常に有益な発見があったので、Monacaの今後の展開にも活かしていきたいと思います。まずは、このようなグローバルな調査にMonacaの名前が出てくる様にしたいですね。