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社内風景

『PxTX | 日本最大級のチームリーダーカンファレンス』まとめ

こんにちは、鴨田です。
先週末、2019/07/05日(金)に開催された『PxTX | 日本最大級のチームリーダーカンファレンス』に参加してきました。
wevox.io

いろいろと気づき、学びがあったので、個人的に刺さった言葉を中心に、各セッションの内容をご紹介できればと思います。
(誰の発言だったかはわかる限りで書いていますが、間違っていたらすみません。)

1. Sports × Team 勝つチームの特徴

岡田 武史氏:株式会社今治.夢スポーツ 代表取締役会長
中竹 竜二氏:日本ラグビーフットボール協会 コーチングディレクター
島田 慎二氏:株式会社千葉ジェッツふなばし 代表取締役社長
西村 卓朗氏:株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック 強化部長

リーダーシップ
  • 監督の指示を実行することで勝つことはできるが、選手を育てているのかという疑問があった(岡田)
  • 強烈なリーダーシップを発揮するだけ、ただ見守るだけのどちらもよい監督とは言い難い、その中間くらいがいい(中竹)
  • 追いかけているときは自然と一体感を持って取り組めるが、1番になってからのモチベーション維持が難しい(島田)
チームビルディング
  • チームの育成時期によって、組織の在り方は変わっていく=組織生物論(岡田)
  • 連続して勝ち続けようとするとき、「勝つ」というメッセージではダメで、「ベストを尽くす」というメッセージが必要(中竹)
  • 覚悟を持つということは、死ぬほど課題に向き合っているかということ(島田)
  • 何かを成し遂げようとするとき、強い目標を共有することが必要(岡田)
  • リーダーが何もかも率先してやってしまうのはダメ、何も教えないで丸投げすることもダメ、一緒に乗り越えるという体験が重要(岡田)
  • 1on1では、ただ話を聞いているだけではなく、自分の考えも伝えることが重要(中竹)
フィロソフィー
  • 哲学や理念を統一し、共通認識(カルチャー)を作り出すことで強いチームになる、優秀な選手と監督を集めるだけではうまくいかない(島田)
  • チームのフィロソフィー、ミッションステートメント、プロミスを明示化し、情報公開を行うことで、メンバー個人のアティチュード(姿勢・こだわり)を形成することが重要(岡田)
  • 全員がリーダーであるという意識、全員が責任ではなく責任感を持つ意識
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Sports×Team グラレコ

2. Product × Team 最高のプロダクトが生まれる瞬間

及川 卓也氏:Tably株式会社 代表取締役
深津 貴之氏:株式会社THE GUILD CEO / 株式会社ピースオブケイク CXO
野添 剛士氏:株式会社SIX CEO
渡邉 康太郎氏:株式会社Takram コンテクストデザイナー

最高のプロダクト
  • 「問いの角度」何を世の中に提供するのか?ということを常に意識している。ポケモンGO=地図の新しい体験、Lyric Speaker=歌詞を楽しむ。問いとアイデアを何往復もする。答えが見つからないこともあるし、問いを寝かせることもある(野添)
  • エコシステムを開発する過程でのプロダクトである。理念や計画を構築する中で、必要なプロダクトやメンバーを揃えていく(深津)
  • プロダクトを通して、アクションヘ誘うことを意識している。抽象的な目標とすぐできるアクションの両方が大事(渡邉)
プロジェクトの進め方
  • 受託は受託でよいが、理想的にはクライアント伴走型がよい。クライアントよりもクライアントのことを考える。目先の利益よりも未来の関係性を重視したい(深津)
    • 世の中の時流としても、伴走型のプロジェクトは増えているのではないか(渡邉)
    • 短期の受託プロジェクトを多くこなして、伴走型のプロジェクトも行うのが良い(野添)
    • 伴走型のプロジェクトで、中にいる人たちのモチベーションに火をつけたい(渡邉)
失敗談
  • 先のないプロジェクト提案はしない。提案ではなく、はっきりとそう伝えることもする(深津)
  • プロジェクトマネジメントのメソッドを固定化しようとしたが失敗した。プロマネによってやり方が違うので、メソッドを固定化するのではなく、メソッドの根源を理解して、共通認識を作る方が正しい。メソッドに限らず、フレームワークもそう(渡邉)
  • 失敗をコントロールするのは難しい(アンコントローラブルである)。あらかじめ、ある程度の失敗を計画の中に組み込んでトータルで勝ちに行く方が良い(深津)
    • 小さい勝ちを続けるよりも、たまに大勝することも大事(野添)
チームで意識していること
  • 人のアイデアだけを評価するのではなく、その根底にあるバックグラウンドを理解し、尊敬する(野添)
  • エコシステムの多様性と相互作用。大きなコンセンサスの共有と小さなアプローチ。ユーザーを含めて、チームだと思っているので、コミュニティが大事(深津)
  • 世の中の時勢を自分の考えに寄せて解釈する=誤読可能性(渡邉)
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Product×Team グラレコ

3. Fan × Team ファンを作るチーム論

KITE氏:ストリートダンスバトル 世界チャンピオン
亀田 誠治氏:音楽プロデューサー ベーシスト
加地 倫三氏:株式会社テレビ朝日 エグゼクティブプロデューサー

チームで仕事をするときに大切にしていること
  • 距離感。現場だけだとストレスがたまる。全然仕事と関係ないイベントにチームで参加する(KITE)
  • 音楽プロデューサーの仕事。とにかくアーティストの話(愚痴、希望、やりたいこと)を聞く。話している方は話しながら思考が整理されていく。希望は一旦受け入れて、最初から否定はしない。トライアンドエラー。アーティストと一緒に失敗する事が大事(亀田)
  • 練りに練ったアイデア・プランでもタレントには強制しない。相手の立場になって考えてみると理由がわかる(加持)
  • 決断するタイミングが重要。失敗・謝罪するタイミングが遅れると取り返しが付かない事になる。「ありがとう」と「ごめんなさい」でやってきたby10-FEET(亀田)
  • ファンがファンを生む(亀田)
アイデアに行き詰まったとき、衝突したとき
  • 妥協したり、しなかったり。原点に立ち戻って考える。違う方向性に向かう(加持)
  • 初期衝動に立ち返る。初期衝動はひらめきではなく、必ずそこに至ったバックグラウンドがある(亀田)
  • クライアントとアーティストで意見が真逆にいくことがある。どちらかに振り切るのではなく、両方のいいとこ取りをする(亀田)
  • 制約からアイデアが生まれる。制約=違うアイデアだと捉えて、自分の引き出しを増やす(加持)
  • POPも革新的過ぎるとPOPじゃなくなる。枠のギリギリを攻める。伝統も踏まえるのが大事(KITE)
  • 尖ったアーティストも紅白を見て感動する。感動する音楽は細胞レベルで普遍性がある(亀田)
プロジェクトの進行
  • 1回の視聴率よりも、打ち切らせないことが大切。知名度のない若手を起用して、はじめは視聴率が取れないこともある。番組を多面的にして、幅を広げる方が重要。人気の企画一辺倒になると、それがウケなくなったときに危ない(加持)
  • 理論武装をして、各所にネゴをしていく。社内のいろんな部署に味方・賛同者・応援者を増やす(加持)
  • 自分から降りることはしない。粘り強く、次を考える。そうすると、降ろされても、もう一度次の打席が回ってくる(亀田)
  • 成果が出なかったときでも、リーダーとして弱いところは見せない。折れない強い意志を持つことが重要(KITE)
  • ボウリングは得意じゃないけど、仲間とボウリングによく行って、ダメな面を見せている。リーダーとして仕事じゃないところでダメな面を出して、親近感を持ってもらう(KITE)
  • 売れる芸人さんはみんな負け顔を持っている。負け顔を持っていると、周りから助けてもらえる(加持)
  • 自分は永遠の中御所。怒って帰らない。時間を守る、自分からやめない(亀田)
  • 1つ頼まれたら2つやれ。1詰めはやらされ仕事だとしても、2つ目は自分で仕事を考えないといけない(加持)
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Fan×Team グラレコ

4. Well-being × Team 持続的な成果を生み出す

石川 善樹氏:予防医学研究者 博士(医学)
永山 晋氏:法政大学 経営学部 准教授
島津 明人氏:慶應義塾大学総合政策学部 教授
和田 有子氏:株式会社電通 人事局 バイタリティ・デザイン・プロジェクト

パフォーマンス
  • ワーク・エンゲイジメントを高めるためには、HP3:健康増進(Health Promotion)、生産性の向上(Human Performance)、幸福(HaPpiness)が重要(島津)
  • 創造性を高めるには、孤独になったほうがパフォーマンスは上がる(永山)
  • チャレンジのストレスとネガティブなストレスは分けて考えたほうがいい(石川)
  • 目の前の仕事をやりがいのあるものにするには、手順を変える、ひと手間かけるなどのジョブクラフティングを行うとよい(島津)
  • 休日の仕事との距離感が大事。職種によって異なる。頭脳系:ボーっとする、肉体系:体を休める、感情系:ひきこもる(島津)
電通バイタリティ・デザイン・プロジェクト
  • お客様第一ではサスティナブルにはならない(和田)
  • 毎日、PC起動時にその日の調子を聞き(10個ほどの質問から1個を聞かれる)、データを収集・分析している
    • 熟睡、笑顔、満足度、夢中、思いやり、人間関係、やりがい、成長、責任、仕事を創る、という観点での調査
  • ストレスよりもバイタリティの方が、パフォーマンスとの相関関係性が高い。中でも、仕事のやりがい、夢中度、成長実感との関係が高い
  • バイタリティ増進には、コニュニケーション(雑談、ランチ、グッジョブ・大丈夫的な声かけ)が効果的
  • 雑談の出来るスペース、集中出来るスペースなどの空間デザインを行っている
上司が意識するといいこと
  • 上司の一言:頑張ってるな、いつも見てるぞ、期待してるぞ(島津)
  • 上司のふるまい:任せる、見守る、責任を取る(島津)
チームについて
  • 少人数のチームほど破壊的なイノベーションを行い、大人数のチームほど改善的なイノベーションを行う(永山)
  • ベテラン(深く狭い知見を持っている)人材と新人(広く浅い)人材の組み合わせがイノベーションが起こりやすい(永山)
  • フィードバックされないことが一番不安になる(石川)
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Well-being×Team グラレコ

5. Innovation × Team イノベーションを科学する

馬田 隆明氏:東京大学 産学協創推進本部 FoundX 本郷テックガレージ・ディレクター
赤川 隼一氏:株式会社ミラティブ 代表取締役
河村 大督氏:Google Inc. 人事部 Asia Strategy&Operation Manager
野田 稔氏:リクルートワークス研究所 特別研究顧問

自主、自立、主体性
  • 口癖によって、会社の価値観・理念を定着させている(野田)
    • トヨタ:事実の報告をするのではなく、「なぜを5回」繰り返して、問題の本質を掘り起こしてから「意思を持って報告」する(野田)
    • リクルート:報告時に上司から「で、お前はどうしたい?」と意志を確認される(野田)
  • 日常生活の中で、物事をただ受容するのではなく、なぜそうなっているのかを常に考えている。CMでなぜこのタレントが起用されているのか?(赤川)
  • Googleでは、リーダーシップというのは、セルフスターターであること(河村)
  • 組織市民行動:社員がみな成熟した大人になる事が重要(野田)
    • 組織市民行動とは、従業員の行動のうち、彼らにとって正式な職務の必要条件ではない行動で、それによって組織の効果的機能を促進する行動。しかもその行動は強制的に任されたものではなく、正式な給与体系によって保証されるものでもない。
イノベーション
  • Googleがイノベーションを起こす上で重要視していることは、ミッション・透明性・社員の声(河村)
    • ミッション:Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること
    • 透明性:毎週金曜日に本社経営陣が社員に直接伝えるTVカンファレンス(TGIF)を行っている
    • 社員の声:1年に1回、全社の満足度調査を行っている
  • Googleでは、チーム単位でもミッション・ステートメントを決めている。2~3年に一回のペース。チームメンバー全員参加のブレストで合意を取る方式(河村)
  • イノベーティブにはGoogleの20%ルールのような余白が重要。(赤川)
  • 「10x」=現状を10倍にすることを常に考えることがイノベーションにつながる(河村)
心理的安全性
  • Mirrativではプレミアムエモいデーを行っている。最近あったエモい話を行い、心理的安全性を高める場としている(赤川)
  • 上司の心理的安全性を高めることも重要。Slackの雑談などでダメな面をさらけ出す(赤川)
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Innovation×Team グラレコ

6. Japan × Team 日本組織の未来を考える

楠木 建氏:一橋大学大学院 経営管理研究科 教授
小泉 文明氏:株式会社メルカリ 取締役社長 兼 COO
新居 佳英氏:株式会社アトラエ 代表取締役

日本組織
  • 年功序列は日本文化ではない。年功序列は、高度経済成長期にたまたまマッチした年齢だけで構築できる低コストな評価制度だった。戦前には存在しなかった。50年程度の一過性のものは文化ではない(楠木)
グローバル人材
  • グローバル人材を獲得するには、会社のフィロソフィー・プロミスを言語化する事が大事。グローバル人材は、給与よりもフィロソフィーを評価して、その実現をするためにジョインしたという例が多い(小泉)
評価
  • チームの評価の方法として、チームマネージャーが他のチームに対して、自チームメンバーのプレゼンを行っている(小泉)
情報フロー
  • かつては上司に聞けば、上司がすべての答えを知っていた。今は上司が全部の答えを知っている状態ではない。個々人が主体性をもって取り組まなければならない(新居)
  • 経営陣・マネージャーだけが情報を持っていても意味がない。インサイダー情報などを除いて、情報は全部オープンにして、現場が主体的に知恵を絞る土壌を作っている(小泉)
  • 今のチームは、野球型ではなくサッカー型。フィールドで起こる事象に対して、能動的に主体的に考え、行動する。岡田さんのいう生物学的組織、アトラエでは自立分散型組織と言っている(小泉)
HR・People Teck
  • 人間ドックにあたるものが、企業のHR分析である。自分達の組織を評価する=パンドラの箱を開けるような恐怖。不健康な人ほど人間ドックに行かないように、健全でないと思っているほど評価を怖がる傾向があると思う。でもやらないと生き残れない(小泉)
  • HRは間違ってはないけないという意識が強いが、間違ってもいい。プロダクトのようにABテストしてどんどん変えて良くしていきたい(小泉)
  • 福利厚生はダウンサイドの不安を取り除くものは手厚くしている(育休・産休時の100%支給や妊活手当など)が、全員平等のプラスの手当はない(小泉)
  • 採用で無闇に母集団を取りにいくのは辞めたい。10人採用するなら優秀な10人だけを集めたい。合格率1%だから1000人集めるというのはナンセンス(小泉)

自分なりのまとめ

組織のフィロソフィー
  • フィロソフィー、プロミスは設定するだけでは不十分
    • 会社で浸透させるための仕組みを考える必要がある
    • トヨタやリクルート、Googleのように習慣化させる何か
  • グローバル人材獲得のためにも必要不可欠
  • 共通目標があることで、強いチームが形成される
リーダーシップ
  • 強いリーダーだけを育てるのではなく、みんながリーダーになることが重要
  • 主体性を持って取り組むためにも、組織のフィロソフィーが必要
  • メンバーに任せて、見守る意識が重要
チームビルディング
  • 心理的安全性を高める
    • いい雑談(笑顔になる)が重要
    • ダメな面をさらけ出せる場を用意する
  • 福利厚生で社員の不安を取り除く
  • フィードバックは絶対に無視しない
    • エンゲージメントが下がる
パフォーマンス
  • 一人で集中できる場所を用意する
    • 逆にみんなで雑談できる場所も必要
  • 仕事のやりがいを重要視する
    • 組織:フィロソフィーが拠り所になる
    • 個人:ジョブクラフティングをして、やらされ仕事をやりがいのある仕事へ変える
マネージメント
  • 組織だけではなく、プロジェクトにおいても共通意識を掲げることが重要
  • 大きな目標と目の前のアクションを同時にこなしていく
  • 失敗したらすぐに軌道修正をする、原点に立ち返って考える

いろいろな示唆に富んだとても良いカンファレンスでした。このブログが自分の「明日からの行動変容」の結果ですが、カンファレンスに参加した人も参加しなかった人も、何らか行動変容のきっかけになればと思います。

自分のまとめきれなかったこともたくさんあるので、toggeterまとめやレポート記事も置いておきます。
togetter.com
日本最大級のチームリーダーカンファレンス・PxTX | セミナーレポート – ProjectDD
【イベント】PxTXに参加してチームについて考えてみた(その1) - かもろぐ
【イベント】PxTXに参加してチームについて考えてみた(その2) - かもろぐ

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kamo

大学時代に自分のWebサイトを作成するため、独学でWebデザイン/HTMLコーディングを習得。大学卒業後、大手IT企業にてWebデザイナー/HTMLコーダーとして勤務。エンジニアと一緒に仕事をしたくなり、2010年にアシアル入社。アシアルでは、営業や広報などの業務を担当しつつ、Webディレクターを経て、現在は主にプロジェクトマネージャーとして従事しつつ、プロジェクトによっては今まで経験した職種を兼務している。

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