ダークパターン(dark pattern)について学ぶ
こんにちは、UIデザイナーの小高です。今回は、ダークパターン・アンチパターンについて学んだ事をまとめたいと思います。
ダークパターン・アンチパターンのどちらもユーザーを望まない結果に導くという意味では同じですが、この2つは違うものだと認識しなければいけません。
ダークパターン(dark pattern)とは
ダークパターン(Deceptive designとも呼ばれる。 欺瞞なデザイン)
- ユーザーが無意識に、意図していない、または有害になり得る意思決定をさせたりする事で、オンラインサービスの提供者に利益をもたらすユーザーインターフェイスの事
- 意図的に設計されており、ユーザーの望まない結果へ欺く
- それなりに機能するが、ビジネス側にのみメリットがある
ダークパターン例
スニーキング(こっそり):ユーザーの同意を得ずに、知らぬ間に有料オプションが選択されていたりする行為。「デフォルト選択」が、特定の選択肢を選んだ状態になっている。
アンチパターン(anti pattern)とは
アンチパターン
- 意図的では無いが、ユーザーへの配慮が欠けていたり、設計者が未熟な事が原因で生まれる
- 正しく機能しない、純粋なデザインの失敗
ベルギーの制作会社Bagaarが作成した「アンチパターン」盛りだくさんで作られたUIゲーム。難易度が高く、忍耐力が必要。
ナッジ(nudge)について
ダークパターンの起源の1つと言われている、ナッジ(nudge)。
行動経済学などで使用される用語で、人々にきっかけを与えることでよりよい行動を促す手法のことを表す。英語を直訳すると『ひじで軽く突く』が原義。
引用:「コトバンク」 https://kotobank.jp/word/%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%B8-108198
- 例1:アメリカでの年金制度申込みの際、フォームをデフォルトで加入の方にチェックを入れた状態にしたら加入率があがった
- 例2:レストランでより健康的な食事を選んでもらうため、健康的なメニューの掲載順を最初と最後に掲載した
ナッジは、より良いアシストをする仕組みの事だが裏返せば、自分の利益のために他者を行動させてしまう事も考えられる。これを、スラッジ(sludge)。ナッジの反対語であり、本質的にダークモードと同じ行為。「sludge」は英語で、汚泥の意味。
認知バイアス
- オプトイン方式:同意の意思表示をしてもらう
- オプトアウト方式:拒否の意思表示をしてもらう(チェックを入れなければ同意とみなす)
UIを設計する際に、ユーザーにとって何が最適なデフォルトなのかを考慮する事の重要性を理解する事(「9割以上の人が選ぶ」「中立的」「リスクが少ない」等)、また「ヒューマンエラー」はユーザーではなく、インターフェイス側の設計に問題があり、ユーザーの努力や能力に頼らず、ミスを防止できるような仕組みをインターフェイス側に設計するなど、考慮や慎重さが、いかに大事なのかを改めて感じました。
出典:「ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン」著者:仲野 佑希、監修:宮田 宏美、ダークパターンJP編集部、出版社:翔泳社
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798172460
出典:「悲劇的なデザイン」著者:ジョナサン・シャリアート、シンシア・サヴァール・ソシエ、翻訳:高崎 拓哉、出版社 : ビー・エヌ・エヌ新社
http://www.bnn.co.jp/books/8989/