Cordova 12の注意点について
Monacaチームの小田川です。
MonacaでCordova 12がサポートされました。MonacaプロジェクトのCordova 12へのアップグレード方法やCordova 12の注意点等については、以下を参照してください。
Cordova 12では、複数の基本Cordovaプラグインで不具合が報告されていたり、旧Monacaテンプレートプロジェクトを使用してる場合、動作に問題が発生する場合があります。
今回は、現在、Cordova 12で判明している不具合および対応方法について説明していきたいと思います。
基本Cordovaプラグインの不具合について
現在、以下の基本プラグインでは、Android 13で使用した際に不具合が発生する報告があります。
現在、Monacaでは、不具合に対応するために、不具合改修版のCordovaプラグインを公開しています。不具合改修版のCordovaプラグインの利用方法については、以下を参照していください。
- Cordova12 サポートの開始 - Android13でのカメラおよびメディアキャプチャープラグインの不具合とMonacaによる対処法
公式のCordovaプラグイン側で修正版が公開された際には、Monacaで提供している不具合改修版から公式版へ変更してください。
cordova-plugin-statusbar@3.0.0以降について
cordova-plugin-statusbar@3.0.0からの仕様変更により、Android用ストア版MonacaデバッガーおよびAndroid用カスタムビルドデバッガーでcordova-plugin-statusbarをサポートすることが困難となったため、cordova-plugin-statusbarは、非搭載となりました。そのため、Monacaデバッガーでcordova-plugin-statusbarの機能を実行した場合、エラーが発生します。
エラーを回避する場合は、以下のようにソースコード上でcordova-plugin-statusbarが提供している「StatusBar」オブジェクトをチェックする必要があります。
// cordova-plugin-statusbarのエラー回避例:
if (typeof(StatusBar) !== 'undefined') {
console.log("cordova-plugin-statusbar is ready.");
}
webpack 4系について
MonacaクラウドIDEのCordova 12環境で使用されているターミナルでは、node 18
系が設定されています。
Cordova 10で提供されていたMonacaテンプレートプロジェクトの中で、トランスパイルを実行するAngular
、Reacr
、Vue
用プロジェクトでは、webpack 4
系が使用されています。node 18系の環境でwebpack 4系を使用した場合、トランスパイルに問題が発生します。この問題に対応するには、webpack 4系からwebpack 5系に変更する必要があります。
webpack 4系からwebpack 5系に変更する場合は、以下のファイルを変更する必要があります。
- package.json
- postcss.config.js
- webpack.config.js
Angularのwebpack 5系対応
postcss.config.js、webpack.config.jsについては、以下のファイルをダウンロードして置き換えてください。
package.jsonについては、dependenciesに設定されている
- ngx-onsenui
- onsenui
のバージョンを以下に変更します。
"ngx-onsenui": "^7.0.0",
"onsenui": "2.11.2",
現在設定されているdevDependenciesの内容を以下に置き換えます。
"devDependencies": {
"cordova": "^12.0.0",
"css-loader": "^6.6.0",
"cssnano": "^5.1.0",
"file-loader": "^6.2.0",
"html-loader": "^0.5.5",
"html-webpack-plugin": "^5.5.0",
"json-loader": "^0.5.7",
"mini-css-extract-plugin": "^2.5.3",
"postcss": "^8.4.7",
"postcss-loader": "^6.2.1",
"postcss-preset-env": "^7.4.1",
"postcss-url": "^10.1.3",
"progress-bar-webpack-plugin": "^2.1.0",
"style-loader": "^3.3.1",
"ts-loader": "^9.2.7",
"typescript": "^4.6.2",
"webpack": "^5.69.1",
"webpack-cli": "^4.9.2",
"webpack-dev-server": "^4.7.4",
"yargs": "^17.3.1"
}
scriptsに設定されているdevを以下に変更します。
"dev": "webpack serve --open",
ファイルの編集が完了したら プロジェクトの再構成 を実行します。プロジェクトの再構成については、以下を参照してください。
- MonacaクラウドIDEのオプション機能について - プロジェクトの再構成
注意点として、ユーザ側でdevDependenciesにパッケージをインストールしている場合は、プロジェクトの再構成 後にインストールし直す必要があります。
Reactのwebpack 5系対応
postcss.config.js、webpack.config.jsについては、以下のファイルをダウンロードして置き換えてください。
package.jsonについては、dependenciesに設定されている
- onsenui
- react
- react-dom
- react-onsenui
のバージョンを以下に変更します。
"onsenui": "2.11.2",
"react": "^16.8.6",
"react-dom": "^16.4.1",
"react-onsenui": "1.11.4"
現在設定されているdevDependenciesの内容を以下に置き換えます。
"devDependencies": {
"@babel/core": "^7.17.5",
"@babel/preset-env": "^7.16.11",
"@babel/preset-react": "^7.16.7",
"babel-core": "^6.26.3",
"babel-loader": "^8.2.3",
"babel-preset-env": "^1.7.0",
"babel-preset-react": "^6.24.1",
"cordova": "^12.0.0",
"css-loader": "^6.6.0",
"cssnano": "^5.1.0",
"file-loader": "^6.2.0",
"html-loader": "^3.1.0",
"html-webpack-plugin": "^5.5.0",
"mini-css-extract-plugin": "^2.5.3",
"postcss": "^8.4.7",
"postcss-loader": "^6.2.1",
"postcss-preset-env": "^7.4.1",
"postcss-url": "^10.1.3",
"progress-bar-webpack-plugin": "^2.1.0",
"react-hot-loader": "^4.13.0",
"style-loader": "^3.3.1",
"webpack": "^5.69.1",
"webpack-cli": "^4.9.2",
"webpack-dev-server": "^4.7.4",
"yargs": "^17.3.1"
}
scriptsに設定されているdevを以下に変更します。
"dev": "webpack serve --open",
ファイルの編集が完了したら プロジェクトの再構成 を実行します。プロジェクトの再構成については、以下を参照してください。
注意点として、ユーザ側でdevDependenciesにパッケージをインストールしている場合は、プロジェクトの再構成 後にインストールし直す必要があります。
Vueのwebpack 5系対応
postcss.config.js、webpack.config.jsについては、以下のファイルをダウンロードして置き換えてください。
package.jsonについては、dependenciesに設定されている
- onsenui
- vue
- vue-onsenui
のバージョンを以下に変更します。
"onsenui": "2.11.2",
"vue": "2.6.14",
"vue-onsenui": "2.6.4"
現在設定されているdevDependenciesの内容を以下に置き換えます。
"devDependencies": {
"@babel/core": "^7.17.5",
"@babel/preset-env": "^7.16.11",
"babel-core": "^6.26.3",
"babel-loader": "^8.2.3",
"babel-preset-env": "^1.7.0",
"cordova": "^12.0.0",
"css-loader": "^6.6.0",
"cssnano": "^5.1.0",
"file-loader": "^6.2.0",
"html-loader": "^3.1.0",
"html-webpack-plugin": "^5.5.0",
"mini-css-extract-plugin": "^2.5.3",
"postcss": "^8.4.7",
"postcss-loader": "^6.2.1",
"postcss-preset-env": "^7.4.1",
"postcss-url": "^10.1.3",
"progress-bar-webpack-plugin": "^2.1.0",
"style-loader": "^3.3.1",
"vue-loader": "15.9.8",
"vue-template-compiler": "2.6.14",
"webpack": "^5.69.1",
"webpack-cli": "^4.9.2",
"webpack-dev-server": "^4.7.4",
"yargs": "^17.3.1"
}
scriptsに設定されているdevを以下に変更します。
"dev": "webpack serve --open",
ファイルの編集が完了したら プロジェクトの再構成 を実行します。プロジェクトの再構成については、以下を参照してください。
注意点として、ユーザ側でdevDependenciesにパッケージをインストールしている場合は、プロジェクトの再構成 後にインストールし直す必要があります。
おわりに
Cordova 12では、基本Cordovaプラグイン側の不具合や旧Monacaテンプレートプロジェクトを使用している場合にエラーが発生する問題があります。今回説明した内容の問題に該当する場合は、上記を参考にして対応してください。